【大館】秋田三鶏記念館 比内鶏・声良鶏・金八鶏の魅力

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 秋田三鶏記念館の説明記事です。

「秋田三鶏記念館」とは?

 秋田三鶏とは秋田県北部で古くから飼育されてきた比内鶏声良鶏金八鶏のことです。

  • 比内鶏声良鶏・・・国の天然記念物に指定されている
  • 金八鶏・・・・・・・県の天然記念物に指定されている  

 「秋田三鶏記念館」では比内鶏声良鶏金八鶏が飼育されており、鑑賞することができます。

 2010年に秋田三鶏の原種や資料を保存、継承するために建設されました。

   

秋田三鶏記念館

 外観は純和風のデザインです。

 当会館は大館市郷土博物館の敷地内に建設されています。

 

 三鶏の歴史はとても古く、大館地方を中心として人々に飼育されてきました。

 戦争中の食糧難や経済混乱、産卵数が他の鶏よりも少ないことなどの理由から一時は絶滅の一途をたどりそうになりましたが、

 「日本の鶏を保護しよう」という声が大きくなり、昭和初期に当時の大館町長を始め、多くの人々の保護活動があって守り抜かれてきました。

 特に山田定次氏は人生をかけて秋田三鶏の研究と保存に情熱を注いだ人でした。

 この人がいなければ今の秋田三鶏はなかったのでは、と私は思っています。

 記念館の立て看板に記されていることば

鶏博士と言われた山田定次氏は私財を投げうって戦時中の食糧難を乗り越え

秋田三鶏を守り抜いた功績は大いなるものがある

 

 詳しくはこちら

 →人生を比内鶏、声良鶏、金八鶏の保存に打込んだ山田定次氏

 

館内の紹介

 飼育舎では比内鶏、声良鶏、金八鶏がツガイでそれぞれ飼育されています。

 

比内鶏

 比内鶏は昭和17年(1942年)7月に国の天然記念物に指定されました。

 特色は肉のおいしさで、旧藩時代は藩主に年貢として納められていたそうです。

 また今上天皇、秩父宮、三笠宮に上納した記録も残されています。

 比内鶏の性格はとても勇ましく、見た目はやや鋭い目つき、とさかは栗茶色三枚冠、尾っぽの羽が豊かで、脚が長いのが特徴です。

 キジに似ているとも言われています。

 このような容姿になったのは、山あいの農家で放し飼い状態で飼育されていたためだと考えられています。

 古い時代から大館市比内地方で生息していた独特の地鶏で、大館市や周りの地域の土壌、水、雑草、昆虫などの自然環境が影響していると考えられています。

 きりたんぽ鍋のうま味は、美味しい比内鶏があればこそと言われています。

 比内鶏は国の天然記念物に指定されているので、現在は食用として出荷されていません。

 厳密に言うと、

  • 野生の比内鶏は食べられない
  • 飼育されている比内鶏は食べられる

 ただ、飼育されている比内鶏でも食用にしたという話は聞いたことがありません。

 市場に出荷されているものは「比内地鶏」という、比内鶏のオスとロードアイランドレッドのメスを交配させて生まれた鶏です。 

 日本三大美味鶏、または日本三大地鶏と呼ばれています。

 

声良鶏

 昭和12年(1937年)12月に国の天然記念物に指定されました。

 日本三大長鳴き鶏と呼ばれています。

 鳴き方は、はじめは渋く落ち着いた声から始まります。

 長く伸ばしながら次第に声を張り上げ、音程を下げつつ最後に止めの一声をかなでます。

 15秒ほどの長さが普通ですが、20秒以上も鳴き続ける鶏もいます。

 歌声は低音で豪壮、優雅、「ゴッゴ、ゴオー」と緩やかな山を描くような歌声に魅了されられます。

 約250年前、大館市を中心とした米代川の辺りで比内鶏と交配させて生まれ、秋田、青森、岩手など主に北東北で飼育されてきました。

 体重は5㎏ほどもあり、日本の鶏としては大型、均整のとれた美しい体型です。

 太いくちばし、大きく鋭い眼、発達してふくれあがっている喉もとが特徴的です。

 羽色は黒、白、まれに黄色も見られます。

 また、寒さに弱いという特徴もあります。

 たびたび秋田三鶏記念館に通っていますが、奥の鶏舎にいることが多いです。

 

 他に日本三大長鳴き鶏と呼ばれている鶏は、高知県の東天紅鶏、新潟県の唐丸です。

 

金八鶏(きんぱどり)

 昭和34年(1959年)1月の秋田県の天然記念物に指定されました。

 約150年前(江戸時代後期)、大館町川原町の魚屋金八氏(さかなやきんぱ)によって作出された鶏で、闘争性に優れケンカっぱやい性質を持っています。

 このことから短気者の金八(きんぱ)氏にあやかり金八鶏と名付けられたそうです。

 金八氏、商売のことよりも鶏に熱中していた人でした。

 自分の飼っているシャモ鶏が垣根を越えて隣りの庭から飛んで来る地鶏と喧嘩をして負けるのを見ていて

 闘争性に優れた鶏を作ろうと思い立ったそうです。

   

 金八鶏は大正中期まで大館下町の職人に飼い親しまれていましたが、次第に飼う人が減少していきます。

 昭和初期になるとわずか十数羽あまりとなってしまいました。

 昭和4年、東京で開かれた共進会に出したキンパ鶏がみごとに一等賞を獲得しました。

 学術的にも貴重な鶏であると学者たちが大館に来て現地調査されましたが、あまりにも現存の数が少なかったため、その後忘れ去られてしまいました。

 しかし、幾人かの熱心な人たちが飼育し守り続けてきた努力によって、秋田県の天然記念物に指定されることとなりました。

あきこ
あきこ

絶滅寸前で保護指定されたんですね

 年間の産卵数は60個ほど、その中から生まれるヒヨコはまれで飼育管理が難しいとされています。

 黒い羽色で羽先が丸く、特に尾羽がエビ尾になっているのが特徴的です。

 同系のシャモと比べると体が小さいわりに頭は大きく眼光も鋭い。

 立姿勢になると頭から脚が垂直になっていることも特徴の一つです。

 

 

 ところで金八鶏の生み親であった魚屋の金八氏、、、

 晩年はヌマのクボ神社の堂守りとなり、金八鶏を飼い続けながら独身生活を通して余生を送ったそうです。

 

記念館の館内

 比内鶏を始め、国に指定されている鶏について資料が展示されています。

 一番の見どころはタマゴからかえったヒナです。

 4月から6月にかけて行われる作業で、天然記念物を守るための大事な工程となっています。

 愛好家からタマゴを預かり孵卵機(ふらんき)であたためられます。

孵卵機(ふらんき)

 約3週間後、ヒナが誕生し育雛機(いくすうき)で育てられます。

 このように、タマゴからったヒナの体調管理が難しい1か月の間、専用の機械で飼育されます。

 ヒナは1か月後にもとの愛好家に返されます。

 春にヒナがかえったら見に行こうと思います!

 12月から翌3月の間は閉館となっていますのでご注意ください。

 

秋田三鶏記念館の基本情報

  • 入館料:無料
  • 開館時間:9:00~16:30
  • 開館期間:4月~11月(冬期間は閉館)
  • TEL:0186-43-7133
  • 住所:〒017-0012 大館市釈迦内字獅子ヶ森1番地
  • 休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)

 

まとめ

  • 実物の比内鶏、声良鶏、金八鶏を見ることができる
  • 4月から6月にかけてヒナを見ることができる

あわせてよみたい

山田定次氏についてはこちら

  →人生を比内鶏、声良鶏、金八鶏の保存に打込んだ山田定次氏