桜櫓館(おうろかん)と読みます。
なんとなく読めますけど櫓(ろ)って、普段は使わない、なじみのない漢字ですよね。
櫓(やぐら)とも読みます、あの「火の見櫓(ひのみやぐら)」…。
周囲を見渡せるように、建物の上に設ける建造物を櫓(やぐら)と言うんですね。
今でいうと展望台です。
ではでは、国登録有形文化財である桜櫓館(おうろかん)を紹介していきます!
桜櫓館(おうろかん)とは

桜櫓館とは、当時大館町長を務めた”桜庭文蔵”の邸宅として建てられた建造物です。
昭和8年(1933年)に建てられ、木造2階建ての更に上には櫓(やぐら)が設けられています。
木造の和風建築物で、基本的には和風の部屋ですが、洋室も備わっています。
大館はその昔、街中が焼け野原となるぐらい、幾度も大火に襲われていました。
桜櫓館は、その大火事に直面しながらも奇跡的に残った歴史的建造物です。
そして別の危機も訪れます。
40年ほど前、桜櫓館を解体し土地を売却する計画が持ち上がったことがありました。
しかし、その話に胸を痛め、桜櫓館には歴史的な価値があることを見出していた”成田欽治氏”が私財を投げうって購入しました。
現在は、民間企業が運営を委託されています。
邸宅
若葉が日に日に繁り始める春、この日は霧雨が降っていて、木々や葉がうるおった色をしていました。
門を入った時点で、昔にタイムスリップした感じがします。
もちろん昭和初期に生きてませんがww

縁側の床板はケヤキを使っています。
つなぎめなしの一枚板!日本最大級のケヤキと言われています。
縁側通路の左上の梁(はり)もケヤキ、こちらもおそらく一枚板と思われます。


ケヤキの一枚板を使う一方で、繊細な造りがあちらにもこちらにも見られます。
ほんの一部だけご紹介です。
洋風のお部屋も素敵でした。



桜櫓館カフェです。
コーヒーがほんとうに美味しいです。
施設名 | 桜櫓館カフェ |
営業時間 | 11:00~16:00 |
ドリンクバーメニュー | 500円・PayPay支払いは400円 ホットコーヒー・緑茶・ほうじ茶・紅茶・ジュースなど |
テイクアウトメニュー | ホットコーヒー 500円 SAKURAスカッシュ 600円 SAKURA甘酒ラテ 600円 各種お茶 400円 |
設備 | トイレ |

本日は庭が見渡せるこの部屋で過ごしました。

庭園
5月はツツジが見ごろを迎えます。
桜櫓館の庭は、邸宅から眺めるような造りになっています。
お茶を飲み、本を読み、庭を眺めながらゆっくりとした時間を楽しめると思います。


成田さんと桜櫓館と私
あれは2009年11月上旬、雪がちらちらと降っていた日でした。
私事ですが、ひどく落ち込んでいた日でした。
なぜ桜櫓館に入っていったのか覚えていません、顔を上げたら桜櫓館があったから、です。
当時の管理人さん、成田欽治さんが庭の手入れをしていました。
当時の私は歴史的なことも何が文化財かということも無知でしたので、桜櫓館がどれほど価値のあるものかも分かりませんでした。
成田さんは丁寧に案内してくださいました。
冗談交じりで穏やかに、笑顔で説明してくれたのを覚えています。
「ここに住んでいるんですか?」と聞くと
「住んではいませんがね、、、いますよ、いつも」と言われました。
「自分のお金で買ったと聞いて…」と尋ねると
「えぇそうです、退職金を使いました。馬鹿な男ですよ・・・(笑)」とにっこり笑いました。
建物の造りだけでなく、当時あった碁石の碁盤や掛け軸など、めずらしい物品についても説明してくださいました。
そのとき笑顔は今でも覚えています。

私があのタイミングで桜櫓館に入り、成田さんと会話したことには意味があったのだと思っています。
桜櫓館は今では様々な才能、個性を持った人々がそれを活かすべく利用している施設となっています。
また、大館を代表する観光名所となっています。
成田さんのあの時の決断がなければ今の邸宅は無かったのだと思うと胸が熱くなり、
成田さんが起こした挑戦は、今、地域の発展に貢献し、多くの人々に影響を与えるものとなっていると思わずにはいられません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は桜櫓館についてまとめました。
私も月に2回ほど利用させていただいています。
コーヒーを飲みながら好きな場所で読書をしたり、ライティングしたり、
最高に贅沢な気分を味わいながら仕事をすることができます。
今ではほとんど見られなくなった純和風造りである建造物、訪れる価値があると思います。
また桜櫓館の周りには、桂城公園、秋田犬会館など観光スポットが多くあります。
歩きながらの観光めぐりで楽しい時間を過ごしてください!
桜櫓館の近くの観光スポットはこちらです。
基本情報
施設名 | 桜櫓館 |
入館料 | 無料 |
住所 | 秋田県大館市中城13‐3 |
TEL | 0186-42-0319 |
開館時間 | 10:00~17:00 11月~3月は10:00~16:00 |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は無料) |
駐車場 | あり |
設備 | トイレ |