秋田県大館市の市街地に鎮座している「豊年高山稲荷神社」の紹介記事です。
高山豊年稲荷神社とは
高山豊年稲荷神社は、江戸時代初期に創建されたと伝えられています。
京都の伏見稲荷大社の分霊を移していただき、この地にお祀りしました。
伏見稲荷大社の千本鳥居
伏見稲荷大社は、711年稲荷山に創建されました。
伏見稲荷大社の千本鳥居は世界的に有名ですね、鳥居のトンネルを通り抜ければ願いが通じるといわれています。
稲荷神社は全国のどこにでも祀られており、私たちに身近な存在で、その数はなんと主祭神の他、摂社、末社などすべてを数えると全国に約３万2千社もあります。
確かに、神社、お寺にありますよね、「おいなりさん」って社や祠(ほこら)。
江戸時代には商売、モノづくり、工業が盛んになり、商店街の通り沿いにお稲荷さんをまつる祠(ほこら)が多く作られました。
商売繁盛、家内安全、交通安全、芸能上達の神としても信仰を集めています。
祀られている神さま～ウカノミタマノカミ～
ご祭神はウカノミタマノカミです。
ウカノミタマの名前の”ウカ”は、食物や穀物のことを意味します。
女神ともおじいさんの神ともいわれます。
もともとは、大陸から渡来してきた秦氏(はたし)が氏神としてまつっていた農耕の神さまでした。
秦氏が京都を中心に勢力を大きくしていくにつれて、稲の神さまで信仰されていたウカノミタマノカミと融合したのではないかといわれています。
さらには仏教の守り神「ダキニ天(荼枳尼天)」と結びつき、商売の神さまとしても祀られるようになりました。
ウカノミタマノカミは”お稲荷さん”と呼ばれ、庶民に親しまれている神さまです。
”お稲荷さん”と聞くとキツネを思い浮かびますが、本来はウカノミタマノカミという神さまなんですね。
なのでキツネは神さまではなくて、神さまのお使いという位置にいます。
なぜお使いがキツネなのか、というと
- ウカノミタマの別名「ミケツ神」、「三狐神(みけつかみ)」であったことから
- キツネは穀物を食い荒らすネズミを食べ、農耕を守ってくれるから
- しっぽが稲穂に似ているから
という理由でキツネが農耕、山、稲の神さまの使者であると考えられました。
高山豊年稲荷～参拝～
車で向かう場合の参拝のご説明です。
鷹巣方面へ向かう国道７号線沿い、右手の小路を入ります。
市立病院の交差点を過ぎてすぐ右の登り道ですが、通り過ぎてしまわないよう、ゆっくり進むことをお勧めします。
小路を登ると１つめの鳥居があるのでくぐってください。
アパート、民家の中を進むと社務所と稲荷神社に到着します。
車は社務所の前に２台ほど停められます。
御手水の龍神様、玉を持っています。
さすが稲荷神社、社殿の木鼻はキツネです。
左のキツネは巻物をくわえ、玉を持っています。
右のキツネは稲穂をくわえ、玉を持っています。
巻物、本当のところは分かりませんが、”知恵の象徴”、”願いが叶う稲荷のシンボル”、”仏教のありがたい経典”といわれています。
玉は、御霊(みたま)とか勾玉(まがたま)とか玉櫛(たまくし)などなど、神道において欠かせないものなのでしょう。
稲穂は”五穀豊穣”、”豊作”の象徴です。
御神木はイチョウの木。
周径３メートル以上あるので樹齢200年ぐらいなのではと考えられます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
高山豊年稲荷神社もまた素敵な場所でした。
稲荷神社はどこの地域にも鎮座している、私たちにとって身近な神さまです。
日本の稲作は約3000年前に始まったと言われています。
四季がある日本では、それぞれの季節に合った農作物が育てられてきました。
日本の四季が日本の農業を豊かにし、約3000年もの間、人々の暮らしを支えてきたのでしょう。
春には苗を植え、秋には収穫を楽しみ、その恵みを感謝する伝統を守り続けてきた稲荷神社。
これからも。
そして一次産業を衰退させてはいけないと思ったのでした。
秋には黄色に染まったイチョウが見られるとのこと。
その際にまたレポートさせていただきます。
基本情報
| 神社名 | 高山豊年稲荷神社 |
| 住所 | 〒017-0885 秋田県大館市豊町4-12 |
| 駐車場 | ２台ほど |
